代表医師とは以前から医療機関の運営に関して意見交換させて頂く間柄にありました。Carusは組織として0から1を生み出していくフェーズにあり、私がこれまで積み重ねてきた経験がどこまで応用可能かチャレンジしたいと考えました。
面接時は面接というよりもディスカッションのようでした。新型コロナウィルスの蔓延をきっかけに、従前から重ねられてきた“かかりつけ医”に関する意見や地域医療をテーマに熱く語りましたね。クリニックを取り巻く構造的な課題が顕在化していく中で、これからの地域医療で求められる事業の意義・重要性に共感し、かつまだ参入事例が少ないクリニックのグループ展開に魅力を感じました。

経営企画は高い視座と広い視野が求められるポジションであるため、「事実に基づき、虚心坦懐に思考を広く深く展開し続けること」「本質的な問いを見逃さないこと」を心掛けています。
私は長時間の積み重ねを経て得られたもの、いくつかのハードルを越えて得られたものであれば、たとえ瞬間的なことであってもすべてやりがいに感じます。例えば前オーナーのご勇退に基づき承継開業（M&A）したケースでは、M&Aとしての検討期間は半年以上に及び、超えなければならないハードルが複数ありました。無事にクロージングを迎えることができた時は、前オーナーを含むステークホルダーの方々から感謝の言葉を頂き嬉しかったですね。特に前オーナーが安堵の表情を浮かべられた瞬間は忘れられません。

まだスタートして間もない組織であるため、既存事業の運営に限らず将来へ向けた制度設計・投資も含めて課題は多岐に渡ります。結果として、決まった領域・機能での固定的なオペレーションを担うというより、事業・組織の状況に柔軟に対応し、自ら課題形成しアクションを起こすことが求められます。
そのため、場合によってはこれまでの経験値をアンラーニングしていくことも必要になります。その意味で、自身の実力を客観視するよい機会になると思います。

あるクリニックの承継開業後、そのクリニックに出張する際に印象的な出来事がありました。最寄り駅から乗車したタクシーの運転手さんに行き先であるクリニックの名前を伝えると、「院長がそろそろ引退なんじゃないかとみんな心配してたんだけど、新しい院長が来て続いているらしいんだよね。本当によかった。」というお話しをいただきました。自身の仕事が微力ながら意味のあるものだと感じ、誇らしかったですね。

医療・介護の領域で自分自身の力で作り上げていきたいという強い気持ちがあれば活躍できるポジションはあると思います。これからの医療・介護をより発展させていくために、ぜひ仲間に加わっていただければ嬉しいです。